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勃起不全の治療で使用される薬ってどんなものがあるの?
勃起不全(ED)に対して改善、治療効果が認められている薬は、一般的にED治療薬と言われています。精力剤やサプリメントと混同してしまう人も多そうですが、ED治療薬は医薬品、サプリメントや精力剤は健康食品で全く違うものですので、間違えないようにご注意ください。
ED治療薬とは?入手方法や価格について
ED治療薬とは、勃起不全(ED)を治療するためのお薬です。簡単な仕組みを説明すると、勃起できない原因であるPDE5という成分があり、そのPDE5をED治療薬が抑制することで勃起を促すことができます。勃起を阻害する成分を薬で強制的に止めてしまおう!という事ですね。
ED治療薬はバイアグラが有名ですが、レビトラ、シアリスなどの種類がありジェネリック医薬品も存在します。市販薬ではないので薬局では購入できず、入手するためには病院で処方してもらう必要があります。
ED治療を専門としているクリニック、または泌尿器科や内科で診察を受けられます。泌尿器科や内科の場合は、ED治療やED治療薬の処方ができるか確認をしてから訪問しましょう。
ED治療薬の価格相場は1錠(25mg)が1,300円前後、1錠(50mg)が1,500円前後で、ジェネリックだと約半値になります。また、診察代は価格を自由に決められる自由診療のため、診療所により0円~10,000円と幅があります。
基本的にED治療に保険は適用できませんが、糖尿病、肥満症、高血圧症などの生活習慣病により勃起不全を発症している場合は、生活習慣病の治療であれば保険適用になる場合もあります。
ED治療薬のメリット
ED治療薬のメリットは即効性です。飲むことで血管が拡張され血流が良くなることや、勃起を阻害する成分を抑えることにより、強制的に勃たない状態から勃ちやすい体にしてくれます。
服用後、約40分程度で効果が表れてきて60分後には一番高まりますので、セックスの1時間前に服用することが理想的です。効果は1時間が経過したあと徐々に低下していき、3-4時間後には半分程度になります。
- 緊張で勃たなかったから次回こそは...
- 妻の妊娠できる期間が限られているからどうしても勃たせたい!
- 風俗やソープで楽しむためにギンギンの状態をキープしたい
- 彼女との初めてのセックスだから男を魅せたい
などなど、どうしても勃たせたい!という時に使うと効果的ですね。
ED治療薬のデメリット
ED治療薬のデメリットは、下記のようなことが考えられます。
- 一時的な効果しかない
- 器質性EDの根本的な改善にはならない
- 常用するには価格が高い
- ED治療薬なしでは勃たない体質に...
- 副作用により頭痛やめまいを感じることがある
- 性欲がない人には効果がない
ED治療薬は即効性の高い薬のため、一時的な効果しかありません。治療薬と名はついていますが、体質そのものが改善していくわけではありません。
また、傷んだ血管を治したり栄養を摂取できる効果はありませんので、加齢や生活習慣による勃起不全(器質性EDという)の根本的な改善にはつながりにくいと言われています。
ただ、海外の論文では6ヶ月間飲み続けることで男性ホルモンが増加したというデータもありますので、全く無意味というわけではありません。
常用する場合は1錠(25mg)が1,300円前後するため、セックスの回数が多い人はとてもお金がかかります。週2-3回のセックスで月に10回と考えたら13,000円、ジェネリックであれば7,000円程度で済みますが、診察代や病院に通う時間なども考えなければなりません。
そして、ED治療薬に慣れてしまうと、薬なしでは勃たない、勃ちにくい体質の体になってしまう事も考えられます。副作用については、めまい、頭痛、顔のほてりなどがありますので、一時的な対策としてであればあまり影響はありませんが、常用する場合は注意が必要です。
最後に、性欲がない人には効果がありません。ED治療薬は、性欲はあるけど勃たない人のためのお薬です。飲めば性欲が高まって勃つようになる...というわけではなく、興奮した時に勃起を促してくれるお薬です。
こんな人におすすめ
メリットの項目で説明したような、すぐにでも勃たせたる必要がある!という人にはとてもお勧めできます。特に、緊張や不安で勃たなくなる心因性EDの場合は、"問題なく勃起する"という事実が克服のきっかけに繋がりやすいため、効果的です。
また、ED治療薬は根本的な改善にはつながりにくいですが、たまに勃ちが悪いというような軽度のEDであれば、少しの間飲むだけでも血管を拡張する作用により、改善効果に期待できます。
いずれにしても、器質性EDの根本的な改善には生活習慣の見直しが欠かせませんので、併用して改善に取り組むことが理想的です。
漢方薬による治療法
漢方薬による治療法は、勃起不全に対して効果のある漢方薬を服用して、時間をかけてゆっくり治療していく方法になります。即効性のあるED治療薬とは対照的に、体の中から治癒力を高めて治していくため、生活習慣の改善に近い、根本的な改善方法になります。
ED治療に使用される漢方薬は医薬品に分類されるため、薬局にある市販薬ではなく病院にて処方してもらう必要があります。
漢方薬のメリット
漢方薬のメリットは、根本的な勃起不全の改善につながりやすいことです。継続して飲み続けることで、体の中からゆっくりと改善していきます。「何歳になってもセックスを楽しみたい!」と感じる人は、迷わず根本的な改善方法をとるべきです。
また、加齢にともなう様々な病気(生活習慣病、高血圧症、男性更年期障害)などの予防という意味合いでも、体の中から健康を意識することは、勃起不全以外にもメリットがあります。
漢方薬のデメリット
漢方薬による治療のデメリットは下記のようなことが考えられます。
- 漢方治療を受け付けている病院が少ない
- 継続する必要があるためお金がかかる
- ゆっくり治していくため改善まで時間がかかる
勃起不全の漢方治療ができる病院は、それほど多くありません。漢方治療の受付窓口である漢方外来がなければ診察ができませんので、お住まいの地域で調べるのであれば、「漢方外来 ED 〇〇(お住いの地域)」または、「漢方内科 ED 〇〇(お住いの地域)」「漢方 病院」などで検索をかけると見つけやすいと思います。
漢方治療は漢方薬を飲み続けながらゆっくり治していきます。継続して病院に通う必要があるため、診察代やお薬代などお金がかかります。また、改善までには時間も必要になるため、根気が必要です。
こんな人におすすめ
ゆっくりでも良いので、体の中からしっかりと改善していきたい人におすすめします。性生活において生涯現役でいるためには、健康な体が大前提です。「何歳になってもセックス楽しみたいなぁ...」と感じる人は、即効性のあるED治療薬ではなく、時間はかかりますが体の中から治療できる漢方治療をおすすめします。
より詳しくはこちらの記事をご覧ください。
薬ではない精力剤やサプリメントが人気なワケ
精力剤やサプリメントは健康食品の一種であり、医薬品ではありません。よく間違えている人もいますが、「精力剤=ED治療薬」ではありませんのでご注意ください。
また、医薬品ではないため精力剤を飲んだら治る!改善する!というようなことはとくに認められてなく、あくまで勃起不全の人向けに販売されている健康食品やサプリメントが「精力剤」という事になります。
人気の理由は根本的な原因の対策になる
治療薬ではないにもかかわらずそれなりに売れているにはワケがあり、勃たない原因に対する対策になるからです。加齢や生活習慣の乱れによる器質性EDの原因は、男性ホルモンの低下や栄養不足による血管の収縮です。
であれば、男性ホルモンを生成する栄養や、不足している栄養を精力剤で摂取すれば、根本的な原因の対策になる...という理屈ですね。
飲むことで性欲アップや勃起力が増す、中折れしなくなるというような直接的な効果は認められていませんが、勃たない原因に対して直接対策ができます。また、忙しい人にとっては飲むだけで対策ができるという手軽さが魅力的なようですね。
生活習慣の改善と組み合わせることで力を発揮する
手軽に対策ができる精力剤ですが、実際のところは飲むだけで変化を感じられる人は少ないようです。精力剤は漢方薬と似ていて、飲み続けることで栄養を補い、ゆっくりと体の中から全身に栄養を巡らせていきます。
変化を感じられない人は、生活習慣の改善を全くやらない、または精力剤を1ヶ月程度しか飲み続けていないケースが多いです。
飲むことで栄養を摂取できますが、生活習慣も見直さなければほとんど意味がありません。よって、精力剤の利用方法としては、生活習慣の見直しの補助的な役割として飲むことが理想的です。
精力剤に頼りきるのではなく、「生活習慣の改善をしながら精力剤に支えてもらう」という考え方で飲み続ければ、より効果的で効率の良い生活習慣の改善を実現できます。
生活習慣の見直し自体、完璧にこなす事は難しく、時間の限られている人にはとても大変な事ですが、完璧にこなす必要はありません。
気持ち的には6割程度の力で取り組み、残りの4割を精力剤にサポートしてもらう事が、最も理想的な精力剤を利用した勃起不全対策になります。
メリット&デメリット
精力剤のメリットやデメリットになります。
【精力剤のメリット】
- 飲むだけで対策ができる手軽さ
- ED治療薬に比べるとお金がかからない
- 根本的な原因の対策になる
- 健康食品のため副作用はない
- 飲むことで生活習慣の見直しを効率良く取り組める
【精力剤のデメリット】
- ED治療薬とは違い、改善や治療効果は認められていない
- 飲むだけでは変化を感じにくい
- 生活習慣の見直しに比べると毎月お金がかかる
- しばらくは飲み続ける必要がある
中折れや勃たない回数が増える前に行動しましょう
緊張やストレス、プレッシャーが原因の心因性EDを除けば、いずれの対策方法も最終的な目的は「健康」を手にする事です。漢方にしても精力剤にしても、乱れた生活習慣を見直して改善していくことが解決するためには大切です。
「たまに勃たないだけだしなぁ...」
「ちょっと中折れ回数が増えてきたくらいだし...」
「一時的なものだったから多分大丈夫でしょ!」
こんな気持ちの人は要注意です。加齢にともない男性機能が低下していくことは当然の事なので納得してしまう人もいますが、放置していくとどんどん悪化していきます。
また、対策をすれば進行を抑えることもできますし、早めに対策をすればそれだけ性生活を楽しめる時間も伸ばす事ができます。
「ヤバイ...本当に勃たなくなってきた...」と感じる前に対策をして、勃たない悩みとは無縁の生活や、同年代の友人が羨むほどの勃起力を実現しましょう。